大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

どの科目を勉強すべき?自学してほしい科目とその目的について

あくまで私の指導経験の中での話ですが、普通の中学生は、学校の課題以外に勉強を進めたりはあんまりしません。

ご家庭でルールを作ったり、それこそ塾の指導のもと勉強習慣が作られていく子はいると思いますが、自発的に、自律して勉強計画を作り取り組めている子は本当に少ないです。

いえ、一つの中学校に何人もいるんですが、その割合は低いということですね。

今回は『自分で勉強計画を作って進めたい子』が読むことを前提にお話をします。

どの科目を勉強したらいいと思う?何のためにやってほしいと思う?という内容です。



みんなはどの科目が苦手?

大阪府公立高校入試の平均点の例を挙げますと、以下のようになっています。

平成31年度】教科別平均点(90点満点換算)

国語A:45.3点 国語B:49.5点 国語C:42.5点
数学A:57.7点 数学B:49.1点 数学C:52.2点
英語A:37.0点 英語B:41.6点 英語C:46.5点
理科:43.7点
社会:45.4点

この年は社会が難化傾向にありました。
大阪府ではほとんどの学校がBかCの問題を扱います。
そう考えてみると、理科と英語の平均点が比較的低いように思います。

中学生が苦手意識を持つ科目は英語と数学であるということは、以前記事にも書いたことがあります。

しっかりと定着しないと、いつまでたっても解ける気がしないのがこの2科目ですね。

数学は、問題の解き始めがわからないか、計算能力のなさで困ってしまうかのどちらかで苦労する子が多いです。

英語は、とにかく単語を知らないという子が圧倒的に多く、次に、ルールがなかなか定着しないというパターンですね。
確かに、doなのかdoesなのかdidなのか、はたまたbe動詞なのか意味不明!という気持ちはわからなくもないです。
理屈よりも形ですね、英語は。理屈は後回しです。

英数を優先すべき?

さて、というわけで苦手な2科目を勉強するべきか?ということなのですが、

できればそうしたいところですけれども、果たして自学で勉強が進むのでしょうか。


高校生ならば、ある程度勉強する力がついているかもしれません。でも、中学生が数学を独学で進めるのはちょっと厳しいかもと思います。

英語は、単語を覚えたり、本当に基本のルールの復習から始めるのはアリだと思います。

基本が出来てきたら、すこしずつ難しい教材を使っていくのがいいでしょうが、まずは単語の勉強をめちゃくちゃやってほしいと思います。

おすすめは国語

じゃあ理科や社会?ということかというと、それもありですが、私は国語をおすすめします。

理科でも社会でもいいんですが、その勉強の目的は『知識の定着』にはありません。


自学では『よく読んで理解する練習』を積んでほしいのです。

先の話になりますが、大学受験やその先、大人になってからの勉強では、誰かが丁寧に話をしてくれるわけではありません。

自分で参考資料を探し、よく読み、考え、理解していく勉強が必要になります。

その勉強力の源になるのが『読解力』になるわけです。

読解力とは

読解力とは、よく国語で登場する言葉ですが、その字の通り「読み、理解する力」です。

科目としての国語では、【読解力=文章を読み問題に答える力】と理解されているように思いますが、

そういうことではなく、本当の意味での『読解力』を身につけてほしいと思います。

子ども達が勉強でつまずく一番の原因は、読んで理解する力が乏しいことにあります。

その原因はいくつかに分類されます。

すなわち

①そもそも漢字や言葉を知らないので読めない。

②読めるが、内容がわからない(ピンとこない、イメージがわかない)

③読めるしわかるが、それを応用する発想がない。もしくは慣れていない。


①は、単純にことばのボキャブラリーが少ないがために生じる問題です。
解決策は、大人とよく会話したり、わからない言葉を辞書で調べたり、漫画や小説などを読んで語感を理解していったり・・・といったところでしょうか。

②は、いわゆる「もの知らず」というやつですね。
これは長子以外にみられる傾向です。(特に末子が多い気がします)
世の中の出来事を自分とは無関係の事柄として捉えているのでしょうか。小難しい話が全く理解できません。
これは勉強の出来不出来と異なる要素のため、早期発見できるように気を付ける必要があります。
そもそも物事の概念がないため、理解できないのです。
たとえば、株式会社の話が出てきたとして、それを理解するためには株式というものが何なのか理解する必要がありますね。
理解といっても堅苦しいものではなく、すごく簡単な仕組みについての理解でいいのですが、それがない子が多いわけです。
おそらく、生活の中で何度も耳にしているはずなのですが、わからないまま過ごしてきてしまったということが原因だと思います。
これも、大人とよく話、すこしずつ理解させる必要があります。(ただし、大人も教養を備えているという前提ですが。勉強ですね)

③は自分でかみ砕いて説明できるまで至っていないので、「なんとなく」で止まってしまっている状態です。
これは、実際に調べさせ深い理解をさせると改善していきます。
レポートを書かせるといいのでしょうが、これも指導者が必要ですね。

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読解力強化には身近な大人の協力が一番

子どもの読解力をつけるためには身近な大人の協力が一番だと思います。

自学では読解力を付けてほしいと言っておきながら、身近な大人の協力が一番とはどういうことか。

読解力をつける指導をメインにしている塾はほとんどないからです。

読解力の乏しさの原因に挙げた事柄から逆に考える、読解力の本質とは、

「語彙力」「概念力」「咀嚼力」だと思いますが、これらは子ども達の個人差がとてつもなく大きいわけです。

それこそ、学年で統一できるものではないですし、塾の指導対象には不向きすぎるわけです。

また、指導するにあたっては、その子どもに心から寄り添ってあげないと正しい効果が生まれません。

つまり、集団塾はもちろん、個別指導やアルバイトの家庭教師レベルでは到底指導不可だと思います。


では、どんな大人が適任かと言うと、一番は『両親』だと私は思います。


難しいことではありません。

何か、問題を解いたりルールを教えたりする必要はありません。

一緒に、国語や理科や社会の教科書を読み、子どもが分かにくそうにしていたらお話をして、時には一緒に調べものをしてもいいでしょう。
そうして、子どもの理解を手伝ってあげられるのは、その子のことを思いやる気持ちを持った大人が一番上手なのです。

私はこう見えてプロなので、個別に指導する場合はできます。また、プロの家庭教師でも指導可能な方はいると思います。

しかし、愛情の深さではご家族に叶いません。

その子にとって、一番いい読解力をつける勉強方法は、家族と一緒に読むことなのです。

もし両親が多忙な場合、祖父母でもいいかもしれませんね。

しかし、大事な『上から教えない』を守れる大人であることが重要です。

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数学や英語では読解力は伸びない?

もちろん、数学や英語でも、一緒にあれやこれやと考えてあげられるならば、読解力強化の勉強は可能です。

しかし、数学や英語はその性質上、大人が上から教えがちになりますよね。

ルールが明確かつ理屈っぽくて、大人が教えたくなっちゃうところがあまりおすすめしない点です。

理科や社会、国語の文章については、あまり偉そうに語れる家族って少ない気がします。

大人が偉そうに話をしてしまうと子どもの読解力を伸ばす勉強にはならないので、英数以外の科目をおすすめしています。

塾だろうが学校だろうが、先生が子ども達に期待している力は「読解力」と「あれやこれや力」です。

この2つがある子は、必ず内申点は良くなりますし、受験も頑張って取り組んでいけるよ確信しています。