大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

【自学自習の基本形】力がつく勉強法5つのポイント

都道府県によって差はあると思いますが、コロナの影響により多くの小中学校において休みが延長される可能性が高まってきました。

3月は1年間の総まとめの指導内容になることが多く、4月は、前学年の復習から始まり、現学年の導入程度の内容に留まるため、正直これまでに休みだった2ヵ月は、1年の中でもカリキュラムの進行が遅い方でした。
そのため、後で巻き返しができることも考えられたので、休みになっている状況に焦りを感じる指導者も少なかったのかもしれません。

5月以降、休校が長引くのは指導カリキュラムにとって致命的なことです。
通常、GW明け以降の授業スピードは速まる傾向にあり、この期間で学習が進められないとなると、子ども達の勉強の遅れが深刻化します。

というわけで、学校も塾も大焦りである現状ですが、ご家庭でやっていける勉強のやり方について、今一度基本から確認をしておきたいと思います。今回は5項目にまとめました。どうぞ。

一日の勉強計画をきちんと組み、なるべく実行しよう!

勉強計画なんて大それたものでなくてもいいですが、要は時間割ですね。
例えば、
9:00から50分勉強+10分休憩を3セット。
13:00から50分勉強+10分休憩を3セット。
これで十分です。
50分勉強は、途中で疲れたら早めの休憩にしても構いません。ただし、○○時00分からは必ず勉強をスタートさせるようにしましょう。
スマホのアラーム機能が使えるのであれば、勉強開始の5分前にアラームが鳴るようにセットして、学校のチャイムのような役割で利用しましょう。

ルールを決めず「ちゃんと勉強するぞ!」という意志の力で勉強を続けようと思っても、気持ちが乗らない時は出来ない場合が多く無理があります。
きちんとルールにして、守ろうとすることが大事です。
初めのうちは辛いでしょうが、続けていくと習慣になります。

小中学生においては、できればご両親とお子さんで話をして、約束事にしてもいいと思います。学校のようなカリキュラムでちゃんと机に向かえているのであれば、それだけで褒めてあげていいと思いますよ。

勉強に慣れていなければ、初めは【低ストレス】な勉強でもよし!

「机に向かったところで、何を勉強したらいいの?」という子が多いと思います。高校生でさえ、長期的な勉強スケジュールを組むことは難しいものです。
何も課題が与えられていない場合の勉強で、是非やった方がいいことは、「漢字の書き練習」「英単語の読み書き練習」「数学や算数の復習」です。
問題集を解いたり、予習をしたり、もちろんできるならやった方がいいことは他にもありますが、とりあえず勉強をした方がいいことは、基本的な読み書き計算を正確に素早くできるようにする練習です。
私はこのような作業的勉強を【低ストレス学習】と呼び、文章題を解いたり長文問題を解いたりする勉強を【高ストレス学習】と呼んでいます。好きな科目を勉強することも【低ストレス学習】にあたります。
【低ストレス学習】と【高ストレス学習】はなるべく交互に行い、勉強を継続して行うことが大切です。
たとえば、【高ストレス学習】の後に本当の休憩をいれてしまうと、そこで勉強が停止し、再開する時にまたエネルギーを必要としますよね。
しかし、もし本当の休憩の代わりに【低ストレス学習】を入れたら、ストレスが軽減して勉強は継続します。
嫌いな食べ物も、そればかり食べろと言われたらキツイですが、好きな食べ物と交互に食べていいよと言われたら、ちょっとずつ食べ進めることができるはずです。
勉強に慣れていない人は、食事に例えると、食べることに慣れていない人なので、まずは食べやすいフルーツやお菓子を食べるところからスタートしてみてはどうかということです。
ただし、この【低ストレス学習】には欠点があるため注意が必要です。
★低ストレス過ぎて、意味のない学習になりやすい。覚えようとする姿勢が必要なので、ただ書くだけ・読むだけの作業になっていないか注意!
★それなりに疲れるので、勉強している感が出やすい。勉強頑張った感が出ていても、結局インプット学習にしかなっていないので、アウトプットの勉強と組み合わせて、本当の力に変えていく工夫が必要!

作業的な学習も学力アップのためには必ず必要なのですが、そればかりしていても力が付きにくいのです。
好きな科目を好きな食べ物、嫌いな科目を嫌いな食べ物とするなら、好きでも嫌いでもないけど楽な勉強は「水やお茶」のようなものかもしれません。
いつ飲んでもいいし、飲むこと自体に抵抗はないけど、飲まなかったら死ぬし、けどたくさん飲んだらそれなりにしんどいし。
飲料は、食事の途中で飲んだり、不足したら飲んだりしたらいいものですよね。
のどの渇きのように、低ストレス学習不足を体感することはあまりないかもしれませんが、基本的には継続して勉強しないと不足していくものなので、漢字や英単語、計算の勉強は少しずつ、他の勉強の合間に進めていくことがおすすめです。

教科書を読む勉強を大切に!

勉強といえば問題を解くことだと思い込んでいる小中学生はとても多いです。
いやいや、問題を解くよりも大事なことは、知識を増やすことです。
学校のテストで出てくる問題のほとんどは、前もって答えを覚えておける事なのを知らないのです。
特に社会や理科、英語はそうですね。
その場で考えなければならないものといえば国語の記述問題や、英語の英問英答・英作文問題、数学の文章題くらいでしょうか。(これらも十分な勉強量があれば覚えて対策可能)

もし自分が、子ども達の本当の学力を試そうと思ったら、
世界恐慌について知っていることを記述せよ」とか「連立方程式の文章題を1題自分で作り、答えも出せ」とか問題にすると思います。超個別ではやってますけどね。

辞書や参考書もどんどん使おう!

このコロナ期をきっかけに、学校で使われている教科書や塾の参考書、辞書をよく読み直しているのですが、相当にしっかりした内容になっています。③で教科書をしっかり読もうと書きましたが、先生方が授業で伝えたいことのほとんどは教科書に載っていますよ。

ただ、問題の解説がなかったり言葉の説明がなかったりするので、そういう時は参考書や辞書を大いに使っていくべきでしょう。
わからない言葉はまず『国語辞典』か『漢和辞典』を使って調べてみましょう。漢字の読み方がわからないと国語辞典が使えないので、そういう時は漢和辞典を使って漢字の読み方を探してみるといいのです。
今どきはパソコンやスマホのアプリでも探せそうですが、自分は紙の辞書を使った勉強をおすすめします。

参考書は、小中学校では配られないので、ご家庭で買う必要があります。
参考書のいいところは、先生に聞かなくても説明が載っているというところです。本来、誰かに聞かないとわからなかったことも、読めば書いてあるので、勉強を進めやすいのです。
私が中学生だった頃、親に参考書を読めとよく言われたものですが、当時は参考書の利用方法がわからず困ったものです。あんな分厚い本を読む気も起きませんでしたしね。
高校生になってから、わからないことが出てきた時は参考書を開けばいいのだと理解して、それからは勉強のやり方が楽になりました。

弊塾の中学生にも、積極的に参考書を開くように指示しています。
たまに、調べてもわからなかったり、調べ方がわからなかったりすることもありますが、そういうものは学校の先生や塾の先生に聞くしかないかもしれないので、質問したいことリストに溜めておきましょうね。

たまに小テストをしよう!

ただただ覚えて理解して・・・という勉強を進めるのは辛いことだったりします。
また、本当に覚えられているのかはっきりしないので、そればかり続けるのはよくありません。
疲れた時や、区切りのいいところまで進んだ時は、小テストを自分で作ってやってみるといいと思います。
以下、各科目の小テストの実施方法です。参考にしてください。

国語

学校の教科書を読み、わからない言葉や漢字を調べたり、何度も文章を読み返したりしよう。また、漢字の読み書きの勉強をするのもいいですね。

教科書内容のテストを自作するのは難しいので、市販の「教科書ワーク」という教材で問題を解いてみよう。漢字は、自分でテストを作っておいて、2日以上日にちを空けてから解いてみたり、家族に作ってもらったりしよう。

数学(算数)

教科書を読んで、言葉をノートにまとめてみたり、例題を解いたりしてみよう。わからないところがあるとすれば前の学年以前のところで理解できていないということだから、少し学年を戻して勉強をしてみよう。

大きな単元じゃなくても、細かい区切りで問題を解いてみよう。問題は、教科書についている問題でもいいし、学校や塾、本屋さんで手に入る問題集のものでもいいです。ポイントは、細かいステップでチェックすること。「少し読んだら少し解く」という流れでいいので、少しずつ進めよう。

理科

教科書をよく読んでみよう。覚えなくてはいけないことが多い単元は、自分でノートにまとめるか、市販教材の穴埋めノートなどで覚える勉強をしてみましょう。

たとえば化学式のテストや火成岩のテストは自分でも作ることができます。一問一答形式や定期テストのような形式の問題は、学校や塾、市販の問題集を利用して解いてみましょう。理科は、新しく知ったことをしっかり覚えられていればとてもいい勉強ができているということになります。覚える勉強を多めに取り組みましょう。

社会

教科書を読むのですが、わからない言葉や漢字が多いはずなので、積極的に調べましょう。インターネット上には、社会の事を図や動画でわかりやすく説明しているものもあります。言葉の意味だけではイメージしにくいものはインターネットを利用してもいいでしょう。(理科にも言えることでした)

地名のテストは自分でも作れそうですが、これも市販教材でいいものが多くあるので、問題集を利用してテストするといいでしょう。数学同様に、こまめにテストするのが辛くならないポイントです。

英語

教科書を読むと言っても、新しい文法の入った英語の文章が書かれていて読むことは難しいかもしれません。まずは、知らない単語を「英和辞典」で調べましょう。
とにかく単語の知識があればあるほど有利になるのが英語という科目です。知らない単語をそのままにしていれば、絶対に今後もその単語で困るわけです。すごく手間がかかりますが、【不明単語は即調べる】を大切にしてください。

教科書の英単語が調べられたら、単語テストを作って解いてみましょう。出来たての単語テストはすぐ解けちゃうので、少し時間を空けてから解きます。
問題集は、よく読んで理解できるのであればいいのですが、他の科目と違い自分で予習するのは少し難しいかもしれません。
予習するとしたら、薄めの優しめの問題集と参考書を購入して、少しずつ進めるといいと思います。その時も、【不明単語は即調べる】をモットーに取り組んでくださいね。

まとめ

いかがでしょうか。
以上のことは実際の指導でも子ども達に伝えていることです。
「わかっていてもできない・・・」という苦労は誰しも経験がありますよね。
解決策の一つとしては「良き理解者と一緒に共有する」ことだと思います。
たとえば、これを読んで欲しい誰かと一緒に読むだけで、お互いに情報を共有できるので、「やらないと!」という気持ちが強まるかもしれません。
何事もやってみて初めて意味のあることです。
一歩を踏み出せるように願っています。