病気と闘ってきた人類 ~新型コロナをどう受け止めるか~
新型コロナの影響で、新学期のスタートも遅れる流れが濃厚ですね。
致し方ないこととはいえ、子ども達や先生方のことを考えると悩まずにはいられません。
21世紀になってからはこの規模の感染症流行はありませんでしたが、かつては多くの感染症が流行し、多くの人間が死に追いやられました。(ほとんどペストかインフルエンザ)
ユーラシア大陸から他大陸への移住は、多くの先住民を殺す結果となりました。
はしかやインフルエンザやチフスなど、新大陸人が耐性を持たない病原が原因で、多くの人が亡くなりました。
当時は人口を正確に計測するほどの文明ではなかったようで正確ではありませんが、何百万人もの命が失われたそうです。
Black Deathという呼び名からついた日本名黒死病は、最大2億人もの命を奪ったとされます。
人類史からすると、病でこれほどの人間が大量死することは初めてではないのです。
もちろん、戦時中のようにインフルエンザの大流行を予防策だけで乗り切るような時代ではありませんので、人々の不安が増大するのも仕方ないことだと思います。
しかし、人類は長い間、病原体と戦ってきたのです。目に見えない敵と戦い続けてきたのです。
人類史からすると、多くの命が失われることも、それは一時的なもので、乗り越えて人類は繁栄してきました。
しかしながら、それを個人単位で受け止めることは非常に難しいことです。
また、「だからあきらめて受け入れる」ことができるほど、世界に絶望もしていなければ、達観した気にもなれないものです。
それぞれがこの絶望的な状況で何ができるか考え、行動すること。それが大事なのでしょう。
新型コロナの流行によって、2020年3月30日時点で、世界で74万人の感染者が出ています。日本が2千人で抑えられているのは奇跡のようですが、検査の遅れがあるため実際はもっといそうですね。
この苦境を乗り越えることは、個人単位では無理かもしれません。
物理的な死の恐怖、そして経済的な死の恐怖。あらゆる意味で苦しい状況に立たされるでしょう。
死とはそういうものであり、病気とはそういうものなのかもしれません。
しかし、あきらめてほしくありません。あきらめずに前を向いてきた先人たちがいたからこそ、今の我々がいるのだと思います。
新型コロナとの出会いをどのように受け止めるか。
できる限り多くの情報を集めて、自分はどう動くのか。
それを一つ一つ考えることも、日本人は試されているように思います。