大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

C問題数学を解くのに必要な力

今年のC問題はやや難化していたように思います。2017年の悪夢とまではいかないでしょうが、平均点は大幅に下がると予想しています。さて、今回はC問題を解くために必要な力を紹介します。少なくとも、学校の勉強だけではC問題を採択する一番低いレベルの高校の受験は厳しいので、独自に工夫した勉強が必要です。

正確かつ速い計算力

これは大問を問わずに求められる力です。大問1の前半はもちろん落とすわけにはいきません。途中式も書かず、過去問演習の段階で正答率が低い人は要注意です。また、大問2や3では三平方や相似比を利用した計算も多く、できれば暗算で計算できる幅も広げておきたいところです。これはとにかく計算演習を怠らないことで身につく力です。
計算は『正確性』と『スピード』が求められます。ミスをしてしまうような計算手順であればもっと細かいステップで計算を行うべきですし、遅すぎる場合は多少無茶をして速くする練習が必要です。
薄い計算問題集からでいいので、早い段階からミスのない計算の練習を積み重ねていきましょう。

定義や定理、公式の本質を理解する

どうしてその性質を使っていいのか、それがわからない限り、未知の問題へのアプローチ方法は限られてしまいます。本質を理解しておけば応用することは難しくありません。しかし、この本質の説明は、単元の導入部分で扱いますが、それ以降習うことはありません。しかし、一通り習い終わった後に、もう一度理解し直す必要があるのです。また、それを応用する力も、応用問題に数多く取り組むことで養われます。
応用問題が解けない人の多くは、本質の理解不足にあります。本質を理解して、さらにそれを一般化して多くの問題に応用しやすくすることが重要です。
これも、薄い問題集から始めて構いませんが、解答解説をよく読み、わからないところは教科書で調べたり先生に質問したりする研究姿勢がないと身につかない力です。
C問題で、計算問題以外で得点したい人は是非とも研究する試みを始めましょう。

状況を把握するために実験する力

https://youtu.be/3a6gxq-7WJY

あの頭脳王優勝経験者の河野玄斗さんもおっしゃっているのが、実験して状況を把握する力が必要です。
世の中の学問は、あれやこれやと疑問が湧き出て、それがどういうことなのか明らかにするために発展していったものだと思います。
数学も例外ではなく、前提や条件がある中で『こうなったときはどうなる?』をひたすらに解決する学問です。
大阪公立高校入試C問題の特徴は、今までに与えられた公式を当てはめる問題処理能力を問うているのではなく、何が問題となっていて、どのようにしたら答えがわかるのかその理屈を組み立てる過程など、いわば問題発見能力と問題解決能力を問うている点にあります。

学校の授業では問題処理能力を伸ばす指導がされていますが、その能力だけで解けるのはせいぜい5問ではないでしょうか。

必要なのは、何が問題となっているか明らかにして、その問題を解決するにはどうしたらいいか考える力なのです。

そのために何をするべきかというと、実験なのです。
C問題は、中学生にはとにかく未知の問題が多く、どういう状況やルールなのか、一見して分からないことが多いです。そのため、まずは、具体的な数字を代入したり、わかることを記入したりしていくことが重要です。
数字の代入は特に必要で、『例えば』で話を進めることは数学の本質理解にも有効です。規則や仕組みがわかると、『それならこういう解き方ができるのでは?』とアイデアが浮かんでいくこともあります。
状況を把握する力が弱いと手も足も出ないのは間違いありません。

物を言うのはやはり経験値

中学受験の勉強をした人は有利だと感じています。理由は、中学数学で習う以上の問題に出会った可能性があるからです。『考えたことがある、解いたことがある、見たことがある』が、かなり有利に働きます。多くの経験を積んだ人は、未知の問題に対しての適応力が違うのです。
残念ながら、小中の公教育で多くの経験を積むのは難しいです。市販教材や学習塾で、良い経験を積める場所を見つけましょう。