大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

ミスの原因は指導者の思い込みの場合も多いという話

三単現のSと複数形のSが混在する形について



先日中1の塾生を指導している際に、以下のような間違いを発見しました。



Ken and I plays soccer.



これはよくある間違いの一つですが、このような間違いが起こるのは、子どもがある誤解をしているからだと決めつけていました。



『Kenが主語の場合、動詞にSをつけると誤解し、この場合もplaysになると考えた』



主語の初めにKenがあるから、そのように判断していると思っていました。

しかし、昨日は自身の決めつけをやめて、今一度よくよく考えてみたのです。

もしかしてこんな風に考えたのでは・・・?



『Ken and Iは複数なのでSをつけると考えた』



三単現のSと複数形のS
の使うタイミングを整理できている人にとっては、何を言っているんだといった感じでしょうが、これは英語だけではなく多くの物事で起こりうる誤解のパターンです。

すなわち、「なんか前に同じようなことがあったから、その時と同じような処理をしちゃおう」パターンです。



広い意味で言えば、調子の悪いでテレビを叩いて直すとか、計算や事務処理でも同じようなことがあると思います。

これは、上手くいくこともあるし、上手くいかないこともあります。

勉強に関しては、教える側が深く理解してしまっていることが多いので、そのようなノリで解くと大体怒られます。他のことでは上手くいかなくても次の手段を講じれば良いのですが、勉強では、上手くいっているかどうかは採点されなければわからないことが多く、一発勝負にかけているため、ミスを未然に防ぐことが求められるから怒られがちなのです。(求められてる本人はそれほど意識していないケースも多い)





さて話を戻して、『複数形だからS』という処理をしているのではという仮説をもとに生徒と会話してみます。




「これ、なんでSをつけたの?」



「・・・」(理由を答えられない子も多々います)



「Kenだからつけたの?」



「・・・・・・」



「複数形だからつけたの?」



「・・・はい」(仮説どおりでした)





『三単現のSも複数形のSも、日本人にとっては馴染みがないルールで、慣れるのには演習量が必要です。自然と気をつけられるくらい使ってみないと、ミスを減らすことはできません。』



Sでのミスを発見した時は、真っ先にこのように考えるがちでしたが、今日は新しい学びがありました。



『三単現のSと複数形のSの見分けがつかないで誤答しているケースがある』



この場合は単なるケアレスミスではなく、いくら解いても同じミスを繰り返すため、丁寧な説明が必要になります。(なるべく簡潔に短時間で説明するのがポイント)





個別での指導では、指導者の思い込みでミスの原因を考えるだけではダメで、子ども達の視点に立って、どうしてその答えに至ったのか思い巡らすことが重要だと再認識しました。