大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

保護者さん必見!中1の息子・娘にしておきたい勉強のアドバイス

小学校を卒業し、中学生になるお子さんを持つ方に読んでほしい内容を書きました。
また、お子さんも読んでいることを想定して、新中学生に向けての内容になっています。

*中学生の勉強で気を付けること

『覚えたつもり』に気をつけよう!

定期テストで感じたことかもしれませんが、勉強して覚えたと思っていたことがテストになると全然書けないという人が多いのではないでしょうか。(特に国語の漢字や英単語、理科の用語)
テストはヒントがなく、自力で思い出して書かなければなりません。非常に大変です。
その練習が不足している子は、一度やった問題集をヒントなしで解き直してみたり、英単語のテストを自分でしてみたりしましょう。本当にちゃんと覚えているかどうかは自分でチェックすることが出来ますので、積極的に確認しましょう。

内容がわかりにくい単元は時間をかけて取り組もう!

中学1年生の初めの中間テストでは、理科の植物の範囲を難しく感じ、自学で取り組めなかった人もいるようです。中学校で新しく習うことは、聞いたことのない専門用語が多く、初めて聞いたときは覚えられそうもないと思うかもしれません。しかし、それをしっかり理解して覚えようとするのが中学生の勉強です。
学校のノートやプリント、教科書をよく読み、図が描いてあればよく見て、理解を深めましょう。
難しそうなことも、よく読めばだんだんわかってくるものなのです。少し見る➡わかりにくそう➡できない、と考えるのは絶対によくありません。わからない、できないと逃げても、学年が上がれば必ずもう一度勉強しなければならないタイミングがやってきます。その時に、今まで避けてきた難しい単元を全て勉強することは不可能です。今わからないことは、時間をかけてでも解決するようにしてください。粘ることが重要です。

『勉強している感』にだまされないように気をつけよう!

中学1年生の初めの中間テストでは、国語のテストで困る人が多いようです。
多くの子の失点は漢字にありますが、それは単に勉強不足だと感じます。
実は、国語に苦手意識を持つ子はとても多いです。どの学年も国語の平均点はいつも低めです。私に言わせると、定期テストの国語は、学校でやったことがそのまま出ることも多いので、学校のノートや教科書を読んだり、わからない言葉を辞書で調べたり、文法問題や漢字の練習をしたりすることで、比較的点数が取りやすい科目です。
では、なぜ国語を苦手とする子が多いのでしょうか。
一番の原因は、多くの生徒が国語の勉強を甘く見ていることだと考えています。
国語は他の科目と違い、学校から出される課題が少ない科目です。問題集やプリントで演習課題を課されることが少ないのです。提出課題と言えば漢字のワークくらいです。そのため、テスト前に『やらなくてはいけない』科目になりにくく、勉強の優先順位が低くなりやすいのです。
また、勉強していても、いまいち『勉強している感』が得られにくい科目です。
たとえば数学は、問題集を解くという作業がありますし、社会だと、用語を覚える勉強も作業的になるので、『勉強している感』が得られやすいと思います。
しかし国語は、ノートを見たり教科書を読んだり言葉を調べたりしても、演習などの作業がないので、『勉強している感』が得られにくいのです。
国語の定期テストは暗記の要素が多いです。学校でやったこと、教科書に書いてあることがそのまま出ますので、丸暗記するくらいの気持ちで勉強をしたら、それなりの点数が取れます。文法や言葉の知識がテスト範囲に入っている場合は、漢字と合わせて30~40点分の配点あります。事前に準備すると取れる部分は非常に多いのです。
中学生は、問題集を解いたり教科書やプリントにワーカーを引いたりしている時に『勉強している感』を得やすいので、好き好んでそちらに時間を割きます。『勉強している感』が得やすい勉強は気持ちがいいので、そればかりやるのですが、実は、それだけではテストの点数は上がらないのです。

勉強している感がない地味で大変な勉強こそ、とても重要!!

勉強の例を挙げます。

「顕微鏡の使い方を全て白紙に書き出す」
「国語のノートを読み、目を閉じてから、今読んだことを思い出しながら声に出して説明する」
「自分の苦手な英単語を紙に書き出して問題を作っておいて、次の日の朝にテストする」
「教科書を読んで、わからない単語や言葉が出てきたら調べてメモする」
「白紙に世界地図を描き、自分の知ってる国名を書き込む」
「今までに自分が間違えた問題と、その解答解説を読み直す」

これらの勉強全てに共通することは、頭が疲れるということです。また、疲れるので、めんどくさい、避けてしまいたいという気持ちが湧きやすい勉強だと思います。頭が疲れるような勉強は、実力がつきやすい良い勉強です。逆に、あまり頭が使われていない作業的な勉強は全然力がつかないので、控えるようにしてください。
力がつかない、『勉強している感』が出やすい勉強は、

「英単語を覚える勉強として、ノートに単語を書きまくる」
「教科書に書いてあることをノートにまとめる」
「説明を読みながら問題集を解く」
「プリントや教科書にマーカーを引く」

全く意味がないとは言いませんが、何のためにやっているのか意識できないと、時間に対する効果(テストの点数に繋がる効果)が低いです。勉強が出来ている人の中には、そんなことはないと言う人もいると思いますが、それは、その人達が長時間勉強できる人だからです。要領がよくなく、量をこなすことで勉強を頑張ってきた人にとっては、自分がやってきたいい勉強なのかもしれませんが、普通は短い時間で成果を出したいと思うものですから、効率も考えて勉強した方がいいです。
短い時間の勉強でも成果を出したいなら、『勉強している感』に惑わされず、頭が疲れる勉強をしてください。

解答解説をよく読もう!

中学2年生でも出来ていない人がいますが、問題解いただけで終わる勉強は効果が薄すぎる勉強なので、そこのところを重々わかっておいてください。
問題を解いただけでは決してできるようにはなりません。問題を解いて、丸つけをして、解答解説を読んだりわからないところを調べたりして初めて、次に同じ問題を解いたときに、解ける可能性が少し上がるくらいです。丸つけもせず解説も読まず見直しすらしない人は、間違えた問題が解けるようになることはありません。
何回注意しても丸つけすらしていなかったり、丸つけをしてもどうして間違えたのか考えなかったりする人がいますが、問題を解くのみでは時間を無駄にしてるだけだということに早く気づいてください。問題を解いても『勉強している感』しか得られません。それではテストの点数は上がらないので気をつけてください。

今までに習ったことの復習をしよう!

中学生の常識として、夏休みには今までの復習の勉強をたくさんします。これをしないで夏休みを終えた場合、今狙える志望校から2ランクほど下がった高校へ行くことになりますので、覚えておいてください。
世の中の中学生は、夏休みにめちゃくちゃ勉強します。人生で一番勉強します。友達が『全然勉強できてへんわ~』と言ってても、実はめちゃくちゃ勉強してます。夏休みにたくさん勉強することが中学生の常識だからです。

特にどんな勉強をしてほしいかと言うと、先にも書いたような、頭が疲れる地味で大変な勉強です。

忘れている単元は説明からちゃんと読み直して、問題を解いて確認しましょう。

夏休み明けの実力テストはかなり難しいです。何が難しいかと言うと、広く深く聞いてくる問題がたくさん出ます。言うなれば、今まで習ったことがテスト範囲のテストです。そこで点数を取ろうと思うとならば、やるべきことは広い範囲のテスト勉強です。忘れていたり覚えていなかったりすることを覚えたり、実際に問題を解いて出来ているかどうかの確認をしたり、問題を間違えた理由をじっくり考えたり、そういう勉強を広い範囲でやるだけなのです。

先に言っておきますが、テスト前から一生懸命やったところでどうにもなりません。夏休み中の全ての時間をかけても、全部の復習はしきれないでしょう。しかも、どれだけやったところで、普通は定期テスト程の点数は取れません。それでも、できるだけのことをやっていくしかありません。範囲が広すぎますが、できるだけ解ける問題を増やす勉強をしていくのです。

夏休みに遊んでいる場合ではありません。今までの復習をしましょう。

問題集の解答解説を必ず読み、やったページ数と間違えた問題にチェックをつけておく。
学校の復習ワークがあれば、出来なかったところを何回か解き直して理解を深める。
教科書を読んだり、自分で小テストしてみたりする。
過去の定期テストが手に入れば、解いてみる。

どの科目も、言われてやるばかりではなく、自分で進めてみることが必要です。大人は、教えることはできますが、皆の代わりに暗記や理解をしてあげることはできません。覚えたり理解したりは、自分自身のペースでしか進めることができません。
自分で進める勉強ができれば、どんどん力がついていくと思いますので、頑張ってみてください。
誘惑と戦うのは大人ですら心が疲れます。誘惑とは、戦わないのが一番です。家と違い、図書館などには誘惑がありません。是非とも利用してみてください。