大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

【大阪府公立入試対策】中3で英検2級は取るべき?英検取得のアドバンテージがすごいという話

大阪府公立入試では英語のみ、外部検定テストである一定の結果を取得している場合、入試の科目得点を保証する働きを持ちます。

もちろん、権利があっても利用しないという選択もできますが、この換算率がすごいのです。

以下、大阪府教育委員会からの引用となります。

外部検定テストとの連動性

(参考:【大阪府立高等学校の英語学力検査問題改革について】 換算表より)

TOEFL iBT IELTS 英検 読み替え得点率
60点 6 準1級 100%
50点 5.5 (対応無し) 90%
40点 5 2級 80%

注目すべきは英検2級で80%換算です。

これがどれくらいすごいことなのか説明したいと思います。

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C問題英語の難しさについて

英検2級を取得している人には入試の英語得点の80%を保証するという仕組みがどれくらいすごいのか説明します。

そもそも80%ってどれくらいの点数かというと、100点テストで言えば80点、大阪府公立入試では90点満点なので72点となります。

大阪府公立入試では、国数英の3科目のみ、A・B・Cの3段階の問題に分かれる話は以前書きましたが、

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2級取得のメリットが一番大きいC問題を例に挙げて話を進めたいと思います。

C問題英語はリスニング問題の配点が30点、筆記問題の配点が60点となっています。

リスニングも筆記も、それぞれ最後の1問(英語記述問題)以外にはすべて選択肢問題になっていますが、その難易度は中学校実力テストレベルを優に超えます。

定期テストで平均80点を取るようなレベルの子でも、C問題で半分の点数を取ることは非常に難しいのです。

その証拠として

C問題英語 年度別平均点

(参考:【大阪府公立高等学校入学者選抜学力検査(一般入学者選抜全日制の課程)における府立高等学校合格者の学力実態調査】より)

入試年度 平成31年 平成30年 平成29年
平均点(割合) 51.7% 56.6% 58.9%

C問題を受験している子ども達の得点平均が60%を超えていません。

C問題を採択している高校は、どのような模試を利用したとしても偏差値55は超えるレベルです。

その高校を受験するようなレベルの高い子達でも平均が60%を超えないわけです。

C問題英語がどれほど難しいかわかっていただけるでしょうか。

80%確定の価値

しかしながら、こんなに難しいC問題英語でも、英検2級を持っていれば80%の保証がつくわけです。

平均割合よりも20%以上のプラスが確定した状態で、4科目の勉強に力を注げるメリットはかなり大きいです。

点数に換算すると平均より18点プラスの状態。(倍率がかかるので実質もっと大きい点数になります)

正直、C問題採択校の下位レベルを受験するとしたら、英検2級を持っている時点でほぼ合格が見えていると言ってもいいくらいだと思います。

英検2級取得とC問題8割得点を比べるならどっちが難しい?

これについては断然C問題8割得点だと言えます。
それぞれの特徴は以下の通りです。

英検2級 C問題
特徴 単語・文法のレベルが高校修了程度。そのため、もちろん通常の中学英語レベルでは歯が立たない。また、面接試験では多少の英会話能力が必要。しかし、英単語の勉強量次第では中学生でも対策可能。対策教材も多く販売されており、何度も受験するチャンスがある。 筆記問題の制限時間が35分と短く、その割に読解しなければならない量が膨大。文法問題もかなり難しい。英単語は大阪府教育委員会が指定した英単語リストに限定されているが、とにかく注釈をつけまくるくらい、難しめの単語が多い。英作文のレベルが高く配点もそれなりに多い。リスニングが25分と長め。

チャンスの多さ、そして英単語力でカバーできるレベルの問題の易しさが英検のメリットです。

C問題はその難しさもさることながら、短時間で膨大な量を処理する能力を試され、しかも英作文も難しいという難点を抱えています。

早めに計画を立てておけるのであれば、断然、英検2級取得を目指すべきです。

やるなら中1から

中3で英検2級取得を目指すなら、中1の段階で英検3級、中2で英検準2級を目標に勉強を進めるとよいでしょう。

中2から始めても難しいと感じます。

その理由としては、3級と2級との間には大きな英単語力の壁があるからです。

英単語を和訳する力が強く求められるのですが、その力を養いながら文法理解もしようとなると、中2の1年間では短いように感じます。

せめて、中1の段階で中3レベルの単語力・文法力を身につけて、

中2の1年間をかけて準2級・2級の壁をよじ登るイメージで勉強を進める必要がありそうです。

英検は市販教材が充実していますので、自分に合ったものを探して利用してみるとよいでしょう。

おすすめ教材シリーズ

でる順パス単

どう考えても一番のおすすめは『でる順パス単』です。

英検は圧倒的単語力でほぼ合否が決まります。(ほぼです。合格にはちょっとの文法要素も必要)

そのた力をつけるためにはレベルに合った単語帳を利用するのがよいでしょう。

ちなみに、2級を受けるからといって2級の英単語帳だけを買うのはおすすめしません。

なぜなら、それより下の級の英単語力さえ身についていない可能性があるからです。

多少お金はかかりますが、自分が完璧ではなさそうな単語帳から始めてみてください。

圧倒的単語力がものを言うのは間違いありませんので、基礎からしっかりと身につけていきましょう。

ひとつひとつわかりやすく

ひとつひとつ系も非常におすすめです。

英語は予習を進めるのが難しい科目です。(理科や社会は比較的簡単)

そのため、できるだけ初学者でも取り組みやすい教材を選択する必要があります。

ひとつひとつ系はどの科目も、とても基本的なことから書かれているので、予習に最適な教材といえると思います。

ただし、これもでる順同様、自分の理解にあったレベルからスタートさせてください。

2級を目指していても、3級の文法が怪しければ、ちゃんと3級、もしくは4級から勉強をスタートさせましょうね。

つまり言いたいこと

大阪府でいい公立高校に行きたいなら、英検2級を早めにとってしまいましょう。

ということです。

中1の段階でこのような発想をすることは難しいでしょうから、この記事を読んでくださっている保護者様にお伝えしたいです。

英検2級取得に本気を出したものが、現行の公立高校入試を制するはずです。

※尚、A問題およびB問題を採択している高校に関しても英検2級取得のメリットはありますが、英検2級をとれる根性があるのであれば、ぜひともC問題採択の上位校を目指してくださいと言いたいです。