大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

効果的な子どもの勉強促進術

心理的リアクタンスという現象があります。自分の権利や自由が制限されると、逆の行動をとろうとする反応を言います。

「勉強をしなさい」と言われることに対して、多くの人がストレスを感じます。


たとえば家事一つにとってもそうですが、自分で決めて始めた掃除は滞りなくできるのに、命令されてやり始めた掃除はどうにも消極的なものになってしまいます。
これも心理的リアクタンスと言えるでしょう。

では、子どもが勉強していない様子である時、どのような行動をとれば勉強をしてくれるのでしょうか。


まず一つ目は、一緒に将来の話をしてみましょう。
親としては「だから勉強しなくちゃね」という報告に持っていきたいのが本音ですが、そこはぐっと我慢してください。
大事なのは、これから大人になっていく中で、今の自分は何をした方がいいのか、考えるきっかけを与えることです。
核心的なことを言いたくなるのは避けて、話をきっかけにして、子どもが自分で勉強について考えるように導くのがポイントです。
即効性がないかもしれませんが、子どもが未来のことを考えることで、今行動することが可能になるかもしれないという意識を持つことが重要です。


二つ目は、一緒に勉強をしてみましょう。
親の勉強内容は、親が勉強したいことで構いません。子どもは子どもで、親は親で自分の好きな勉強に取り組むのです。
大事なのは、「教える」と「教わる」の構造になってしまわないことです。
たとえば、わからないところがあって質問をしてくるかもしれません。その時は、自分ならどのようにその問題を解決するかについて、話をする程度にとどめておくのです。時には、問題集を変えてみたらとアドバイスするのもいいかもしれません。
子どもとしては全部教えて欲しいという不満を持つこともあるかもしれません。しかし、それでもいいのです。親は親で自分の勉強を一生懸命やっているという姿を見せることが重要です。


三つめは、一緒に遊んでみましょう。
普段の生活では、親は親の生活が、子どもは子どもの生活があり、一緒に同じことを遊んで共有することは少ないと思います。だからこそ、お互いに考えていることがわからなく、許せないことも出てきてしまうのです。
そこで、子どもが夢中になれるものを、子どもと一緒に楽しんでみましょう。
ゲームでも、キャッチボールでもなんでもいいです。
熱中できることについて共有することが重要です。
また、普段から子どもが何かに熱中する場面では、できるだけ妨げずに熱中させてあげてください。時間を浪費していたり、健康を損なってしまったりする場合は忠告をする必要はあると思いますが、何かに集中する経験は必ず勉強にも活きてくることになります。


ダイエットもそうですが、意志力が必要なことは一人でやるのがつらいですよね。
ましてや子どもならなおのことだと思います。
中学生であろうが高校生であろうが、一緒に時間を共有して理解しようとしてあげようとすることが、子どもの行動につながっていくと思います。