大阪府公立高校入試合格への道

現役学習塾長が大阪府公立高校入試や教育について、いろいろ発信します。

中学生の英作文のコツについて(英検の作文でも使えます)

英作文というのは、あるテーマについて自分で伝えたいことを考えて英語行う作文です。

もともと日本語の文を与えられて、それをそのまま英訳するのと異なる点は、自分で書くことを考えなければならないということです。

中学生が英作文で困りがちなことについて少しお話したいと思います。


英作文は「考えていることを英語で表現することはほとんどできない」という点を自覚しなければ取り組みにくくなってしまいます。

普段我々が日本語で当たり前に表現していることを、英語で自由に表現できるほど、英語の表現方法を知らないことが原因です。

日本語でも、表現することに慣れていないかもしれません。

しかし、その日本語をすっとばして英語で思いや考えを表現するなんて、ビート版があっても大変なのにいきなり素で25mを泳ごうとしているようなものだと思うのです。


それでも、英作文を完成させなくてはならない場合、どのように取り組めばよいのでしょうか。

それは、まずは「日本語の文を作ってみる」という段取りを踏むことが有効です。

たとえば、ゾウという動物について、「~な動物です」という形で説明をしてくださいという課題英作文が出題されたとします。

ゾウと言えば、体が大きいとか鼻が長いとか、そのような特徴が思いつくはずです。

「ゾウは鼻が長い動物です」という作文をすることに決めたとします。

しかし、「鼻が長い」という表現をどのようにしていいかわかりません。

そこで、「長い鼻を持つ」という説明を関係代名詞を使って作文しようと考えます。

つまり。「An elephant is an animal which has a long nose.」となるわけです。


まず日本語でどのように表現できるかを考えることは、非常に有効です。

なぜなら、我々にとっての母語を使うことが一番思考しやすいからです。

慣れない英語を使いながら表現を考えることは、正直無理ではないでしょうか。

自塾の指導では、まず必ず英訳できそうな日本文を作らせることに終始しています。

自分が表現できそうな日本文を完璧に作ってから、それを英訳する流れでミスがかなり減ることになります。


英語が得意な子でも、英作文の失点は起きやすいので、是非参考にしてもらえたらと思います。

人の動機には種類がある!

今回は動機の種類についての小話です。


動機には大きく2つの種類があります。


1つは「手段動機」と呼ばれるものです。

たとえば、「行きたい学校に進学するため」など、勉強することが別の目的の手段になっている場合を指します。


もう1つは「内発的動機」と呼ばれるものです。

「勉強することが自体が楽しいから勉強している」など、勉強することが別の何かの手段になっていない、いわば自発的に行っている行動の動機を指します。


前者の例をいくつか挙げると、「褒められたいからやる」「きまりだからやる」「やらないと後で後悔しそうだからやる」といった場合の動機でしょう。

後者では、「楽しいからやる」「好きだからやる」「やりたいからやる」「気持ちいいからやる」など、特に他に理由がなくてもやるような場合でしょうか。


ある調査では、学業において、手段動機が多い人ほど成績が悪く、最終的に成功するのは内発的動機を持った人が多いということがわかっています。


もし内発的動機が自分の行動の動機にできたとしたら、やる気が長く続き、壁にぶつかったときには乗り越えるための強さになるでしょう。



初めは手段動機で勉強しても構わないと思います。しかし、手段動機だけだと、勉強のモチベーションが下がるようなことがあった時に挫けてしまうかもしれません。

どんな勉強にも必ず内発的動機に繋げる要素があるはずです。

なるべく内発動機を持った勉強の取り組みができるように意識をして、日々を過ごすことが勉強継続の秘訣と言えそうです。



1つ、考えられる思考変化の例を挙げます。


数学が嫌いで、どうして数学を勉強しなくてはならないか疑問に思っている人がいるとします。

しかしその人は、成績を上げなくては希望の高校に進学できないと思い、毎日家で30分、数学の勉強をすることに決めました。


初めは何をしたらいいか分からないので、とりあえず学校でなったところの教科書の範囲を読み返して、復習をすることにしました。


すると数日後、いつもより学校の授業がわかりやすく感じたとします。


そこで、「成績を上げるために数学の勉強をする」から「学校の数学の授業がわかるようになりたいから勉強をする」に、動機を切り替えることにしました。


勉強の目的を、学校の授業で過ごす時間を快適なものにすることに変えたのです。


この変更をしても、まだ手段動機と言えると思います。


しかし、この思考変化が、「数学の勉強⇒好きなもの」に変わっていくきっかけになっていくように思います。



結果を求められる学生生活の中で、子ども達がどれだけゆとりをもって勉強を好きと感じられるかは難しいところです。


しかし、内発的動機に繋げてしまえば勉強することがニュートラルの状態になるので、とても強みになるはずです。

大阪府公立高校入試 理科の勉強の仕方

中3は実力テストや定期テスト、外部模試などを受験する機会が増え、受験に対する意識をますます高めている時期ではないでしょうか。

さて、今回は理科の受験勉強についてです。


大阪府の入試の特徴は、問題文が長く情報を整理するのに時間がかかる点です。

定期テストでは、およそ大問1つあたりが10~15点の配点で構成されており、基本的な実験をベースに用語問題や計算問題が盛り込まれています。

一方、入試ではシンプルな実験ではなく、初めて見るような実験を評価する問題が多く、自分の持っている知識をそのまま当てはめていいのか躊躇する場面が多いです。

対策としては「取り組み慣れ」と言ってしまえばそこまでなのですが、メタ認知の能力が低い子にとっては非常に苦しいのではないかと思っています。

すなわち、「問題で扱われている実験は見たことがないしよくわからないけど、光について話しているし自分の知っている光の性質を使って仮説をたててみよう」とか「おそらく化学変化の質量比の計算をさせたいのではないか」とか、目安を立てる能力があるかどうかというのが、取り組みやすさの差になっているように感じます。

これは他科目でも言えることなのですが、【出題者が答えさせたい答えに寄せていく】という感覚は、入試ではとても重要です。

入試問題に取り組み慣れていない人は、自分の持てる力の中で一生懸命やるだけで終わってしまいますが、

理想は、一生懸命解く前に、およその答えの形を想像しておくと、正答しやすくなります。


まずは数年分を素直に解いてみましょう。

そして、時間がかかったところを重点的に解説を読み、自分が知っている知識の何を使えば良かったかを考えてみます。

すると、特別な新しい知識を使っていないことに気づくはずです。

その感覚を大事にして、もう一度過去問を解き直してみます。

すると、読むべき文・読まなくていい文の目星がおよそ想像できてくると思います。


もし、そもそも基本的な性質や計算のルールが抜けていると感じたら、問題集に戻ればいいでしょう。

気づくべきなのは、文章が長いだけで複雑なことを聞いているのではない、ということです。

小5くらいからやっておきたいこと

小5となると、自分のコミュニティの中である程度立ち位置的なものを持っていて、大人の言うことを素直に聞かない子もいると聞きます。



まあ、それは健全で、言うことを聞いてさえいればなんとかなるということでは全くないのでその点はどうでもいいです。



大事なのは、中学生になる心構えを養うことでしょうか。



つまり、中学生になったら今までとは全然違う勉強の取り組みをしなくちゃいけないということを、本人に自覚させる働きかけをしていくわけですね。



これは、上からお説教のように言い聞かせても効果はないように思っています。




自覚させるというのは相当難しいことで、本人が腹落ちしているかどうか、ちゃんと聞いているかどうか、押し付けられていると感じていないかどうかなど配慮しながら伝えていき、その結果、たまたま自覚してもらえるかもしれないくらいの試みです。



それくらい、未知の事柄を子どもに納得させるのは難しかったりします。



中学生以降の子どもに本当は期待したいことというのは「勉強に危機感を持って日頃を過ごし、将来を見据え、大事な時期にフルパワーで努力できる」ことだと思うのですが、それに近づけるためには、子どもの【自走力】を養うことなんですよね。



イメージとしては植物の種を撒いて育てる感覚でしょうか。


無理矢理やらせてようとしてもだぶん本来の効果は出ないので、導くスタンスでいることが大切なのだと思います。

偏差値50前後の高校に進学したその先にあるもの

昨今、色々な生き方があるように見えるが、やはり情報をうまく処理したり集約したりする能力は高い方がいい。

これは一概に、小難しい内容ばかりの話ではない。

若い世代は、圧倒的にSNSの使い方が上手いと感じる。
たとえば、世間で話題になっている(いわゆるバズっている)ことを探す際に、検索エンジンで検索する方法よりも、TwitterInstagramでキーワード検索をした方がたくさんの最新情報が得られたりする。

子どもにも言えることだが、仕組みを理解してあれやこれや使ってみて、最終的に使いこなす領域に辿り着くのは若い世代の方が早い。

かといって、その能力だけに頼ると行き詰まりを見せることがある。

世の中の情報はカジュアルなものもあれば、形式ばってかしこまった内容もあったりする。
そのような情報を「難しくてよくわからないもの」と避けてばかりもいられない場面は多くなるはずだ。

少々難しい内容でも、かじりついて理解しようとしなければ、自分が損をしてしまうことはたくさんあるのだ。

中学や高校の勉強で、内容が難しくその場しのぎで進んでいくような生徒をみることは少なくない。

その内容自体が直接将来に役立つかどうかはわからないが、少なくとも、難解なことを理解しようと努める経験は、長い人生においてとても大きな価値を持つだろう。

その取り組みが出来る子と出来ない子の基準は、概ね偏差値50強あたりのように感じる。

高校の先生も、子ども達の学力レベルに応じて与える負荷を変えている。

高負荷をかけることが必ず正しいとは思わないが、難しい内容を理解することを避けている子ども達のその先の人生を思うと、心配してしまうのは確かだ。

偏差値の高い学校に子どもを進学させる一つの理由として、思考させてくれるという要素があるのは、学歴以上の重要なのではないかと思う。